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男性にも読んでほしい!つらい生理痛の原因と対処法まとめ

単刀直入ですが、あなたは男性ですか?女性ですか?

もし、あなたが男性だったら、生理痛のつらさを一生経験することはないでしょう。
ただ、あなたの周りの女性には、今日も生理痛で苦しんでいる方がいるんです!

たとえば、あなたのまわりに、腹痛で定期的にお仕事をお休みされる女性はいらっしゃいませんか?
もしくは、体調不良を理由に遅刻される女性などはいませんか?

そんなとき、「腹痛や体調不良くらい、みんな、我慢してるのになあ・・・」と思ったりしていませんか?

もし、その欠勤や遅刻の本当の理由が、ひどい「生理痛」だとしたら、どうか優しく見守ってあげてください。
なぜなら、生理痛って、女性にとっては本当に辛いんです・・・。

今回は、私たち女性のがんばりを知っていただくために、男性にとってはデリケートな話題である「生理痛」について取り上げたいと思います!
(言葉を和らげる意味で、生理を「ブルーデー」と呼ぶこともありますが、今回はあえてストレートに「生理」で行きたいと思います)

男性の方に生理に関する知識をもっていただけると、きっと、世の中はもっと平和になると思います。
どうか、記事を最後まで読んでください。

ではいきます!

生理痛はなぜ起きるの?
赤ちゃんのためのベットが定期的に子宮から排出されるときの下腹部や腰の痛みです。

生理とは、正確には「生理的出血」のことを指します。
また、生理は毎月起こりますので、生理を医学用語で「月経」と呼ぶこともあります。

女性の身体の中にある「卵巣」では、毎月、妊娠のために卵が排出されます(これを排卵といいます)。
その卵が、男性の精子と結びついて赤ちゃんをつくるのですが、卵巣は、卵を排出するタイミングで「もしかしたら、赤ちゃんができるかもしれないから、赤ちゃんを育てるためのベッドを用意しておいて!」という指示を子宮に出します。

そして、子宮は「わかった!じゃあ、ベッドを作るね!」という流れで、「子宮内膜」というベッドを子宮の壁の内側に作ります。
もし、赤ちゃんができれば、卵はそのベッドから養分をとることができるんです。

そして、いよいよ、ベッドが完成すると、卵はそのベッド上でじーっと精子の到着を待つことになります。
でも、実は卵には生きていられる期間が決まっているんです。
なんと、卵は1~2日ほどしか生きられないんです・・・。

もし、その1~2日の間に精子が来なかった場合、卵は死んでしまいます。
そうなると、ベッドは必要なくなってしまい、死んだ卵が乗っているベッドですから、ベッドごと捨てなければならなくなります。

そのベッドが子宮の外に排出されたものが、生理の際の経血です。
そして、ベットが子宮から排出されるときにおこる、いくつかの原因によって生理痛は引き起こされます。

その原因は主に3つあります。

1.子宮を収縮させる「プロスタグランジン」の分泌量が多い

生理がはじまると「プロスタグランジン」という物質が分泌されます。
プロスタグランジンは、子宮を収縮させる作用があり、必要がなくなった子宮内膜を子宮の外に排出する働きがあります。
このプロスタグランジンは生理に欠かせない物質ですが、分泌量が多すぎると子宮を必要以上に収縮させてしまいます。
そのため、軽い陣痛のような痛みを下腹部や腰に感じます。

2.子宮の出口が狭い

子宮内膜が排出される子宮の出口が狭いと、なかなかベッドを排出できず痛みを感じます。
出産経験がある女性は、出産経験のない女性よりも子宮の出口が広がるため、生理痛が軽くなる人もいるそうです。

3.冷えやストレスによって、血行が悪くなっている

女性は冷え症の人が多いですが、身体が冷えているときは血行が悪くなります。
また、ストレスがたまっている場合も、ホルモンのバランスが崩れ血行が悪くなります。
そして血行が悪いと、骨盤内の血流が足りないため子宮や卵巣が正常に働かなくなるんです。
このように、身体の冷えやストレスは、生理痛を悪化させてしまう原因になります。

このような理由によって、生理痛は引き起こされているんですね。
生理痛は個人差が大きく、とっても痛い人もいれば、それほど痛くない人もいます。
また、出血量にも差があります。

生理痛の症状は下腹痛だけじゃない!
セロトニンの減少によって、頭痛も起こるんです

生理痛とひとくちにいっても、さまざまな症状があります。一番多いのは、下腹部の痛みですが、それだけでなく、腰痛や頭痛なども起きます。ここで、頭痛が起こるメカニズムについてご紹介します。

生理時の頭痛の主な原因は、女性ホルモンの変化によるものです。

女性には「エストロゲン(卵胞ホルモン)」というホルモンがあるのですが、このホルモンの分泌量は、排卵前にピークを迎え、排卵後に急速に減ります。
このエストロゲンの分泌量が減少する際に、脳にある「セロトニン」という物質も減ってしまうんです。

この「セロトニン」という物質は、心のバランスを整える脳内伝達物質の一つ。
これが不足すると、片頭痛の原因になるほか、感情的になりやすくなったり、集中力が途切れたり、最悪「うつ病」になる恐れもあるといわれています。

セロトニンとは、人間の精神面に大きな影響を与える「神経伝達物質」のことですが、これが不足すると、精神のバランスが崩れやすくなり、うつ病にかかりやすくなるといわれています

ただ、多くの女性は、この頭痛のメカニズムについて知りません。
「生理と頭痛はまた別の原因だよね」と思い込み、別々に考えがちです。

でも、今お伝えしたように、生理と頭痛は連動しているんですね。

下腹部の痛みがあまりにもひどい場合には寝込んでしまうことも・・・
我慢できないほどの生理痛は婦人科受診を勧めよう

下腹部の痛みも人によって差があります。
あまりにもひどい場合には、寝込んでしまうこともあり、これを「月経困難症」といいます。

強い痛みがある場合は、薬局などで市販されている、生理痛や頭痛に使用する「鎮痛薬」を飲むように勧めてあげてください。
これらは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とよばれていて、子宮を収縮させる働きをするプロスタグランジンの分泌を抑えて痛みを和らげてくれます。

また、鎮痛剤を飲んでも効かないほどの強い痛みには、「子宮内膜症」「子宮筋腫」などの重い病気が潜んでいる場合もあります。
もし、パートナーがすごく苦しそうな時は「病院へ行った方がいいんじゃない?」と一声かけてあげてくださいね。

1.子宮内膜症
子宮内膜症とは、本来子宮の中で作られる子宮内膜が、腹膜や卵巣などの子宮ではない場所で作られてしまう病気です。
このように子宮以外の場所で子宮内膜がつくられた場合にも、生理のタイミングで子宮内膜が剥がれます。
しかし、子宮以外の場所で子宮内膜が剥がれると、子宮内膜が体外に排出することができないため、炎症や痛みを引き起こします。
2.子宮筋腫
子宮筋腫とは、子宮の中にできる良性の腫瘍のことです。
子宮筋腫があると、生理痛や生理の血液量が多かったり、血の塊が混じったりします。
出血が多いため貧血状態になることがあり、立ちくらみや動悸などの症状が出ることがあります。

これらの病気は、症状が重い場合は手術が必要になったり、不妊の原因になることがありますので注意が必要です

約3割の女性が、ひどい生理痛!

生理痛の痛みは個人差がありますが、日本産科婦人科学会のデータによれば、お薬を飲んでも仕事ができない「かなりひどい生理痛の人」が2.8%、お薬を飲めば、何とか仕事ができる「ひどい生理痛の人」が25.8%もいることがわかりました。

つまり、約3割の女性が、仕事に支障が出るほどのひどい生理痛に悩まされているんです。

また、厚生労働省のデータによれば、月経時に生理痛でつらさを感じる症状のランキングは以下のようになっていました。

  1. 腹痛・・・67.3%
  2. 腰痛・・・46.3%
  3. 全身倦怠・・・36.3%
  4. イライラ・・・35.5%

つまり、約3人に2人の女性は腹痛で悩んでいて、約3人に1人はイライラを感じているということが分かります。

生理痛は「体を温める食べ物」を食べれば、ある程度ケアできる!

つらい生理痛ですが、以下のような生活を送れば、その痛みをある程度は予防できます。

  1. 身体を温めて、「冷え」を防ぐ
  2. 規則正しい生活を送る(ホルモンのバランスを整える)
  3. バランスのよい食事をする
  4. 無理のない範囲の運動を続ける

このうち、特に「冷え」の改善は大事。
なぜなら、「冷え」の状態では、血行が悪くなり、生理の時の血(経血)をうまく身体の外へ出せなくなるからです。

そこでオススメなのが、「身体を温める食材」を食べること。

以下の食材が「冷え」の改善に効果的なので、ぜひ覚えておいてくださいね。
(参考:これで冷え症も怖くない!【プロ直伝】冷えを改善する3つの方法

  1. 寒い季節にとれるもの
    (小松菜・ミカン・クルミ・小豆・タラ・ブリ)
  2. 寒い地方でとれるもの
    (リンゴ・サクランボ・ブドウ・玉ねぎ)
  3. 色の濃いもの
    (そば、黒砂糖、玄米、羊肉、黒豆、小豆、黒ゴマ、かぼちゃ)
  4. 味の濃いもの
    (海老・ニラ・ニンニク・ショウガ・味噌・醤油・漬物・塩辛・佃煮)
  5. 地中に向かって伸びるもの
    (人参・山芋・ゴボウ)

上記の食材を使った「冷え改善料理」なんかもいいですね。
レシピ検索エンジン「クックル」を使えば、あらゆるレシピサイトから「冷え」を改善するレシピを見つけることができます。

「低用量ピル」を使えば、生理痛が軽くなります。
でも、注意が必要です(※追記)

避妊のために開発された「ピル」というお薬があります。

ピルは、前述した「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と、「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という女性ホルモンがバランスよく含まれている薬。これを服用することで、体外から女性ホルモンを取り入れる形になります。

体外から女性ホルモンを取り込むと、脳は「もう女性ホルモンは十分ある」と勘違いします。
そうすると、卵巣にホルモン分泌の指令を出さなくなり、卵巣は排卵をしなくなるんです。
その結果、精子が入ってきても妊娠しないという仕組みです。

そして今、このピルのホルモン量を少なくした「低用量ピル」というお薬があります。
低用量ピルには、生理痛を楽にして体調とメンタル面を安定させる効果があり、適量を飲み続けることで、女性ホルモンのバランスを安定させます。

低用量ピルは、女性ホルモンのバランスを安定させることや避妊効果だけでなく、非常に安全性が高くなっていることから、最近は一般的になっています。

ただ最近、この低用量ピルを用いた死亡事故が起こっているのも事実ですので、低用量ピルへの理解を深め医師の処方にもとづいて正しく利用してくださいね。
「ヤーズ配合錠」という低用量ピルを投与した患者さんが、「血栓症」になって亡くなってしまったのです。
血栓症とは、血管の中に血のかたまりができて、血がうまく流れなくなる、または、詰まったりする症状のことを指し、現在までに3例の死亡例が起きています。

●参考:月経困難症治療剤「ヤーズ配合錠」投与患者での血栓症に関する注意喚起について(厚生労働省)

特に喫煙者の方の場合、ピルの血栓症が起こるリスクが高くなるようですので、もし、低用量ピルを使う場合は、必ず医師に相談をしてください。

女性の方は、思い切って「今日は生理痛でつらい」ということをアピールしてもいいかも

伝える相手にもよりますが、もし生理痛がつらい場合は、正直に、そのつらさを伝えた方が良い場合もあります。

また、はっきりと「生理」と伝えなくても、「あれがつらくて・・・」と言葉を濁す感じでも、カンの良い相手なら察してくれますので、あまり一人で悩み過ぎないようにしましょう。

男性はさりげない気遣いをもちましょう

もし、あなたが男性なら、女性が以下のようなそぶりを見せた場合には、生理痛を疑いましょう。

  • かばうようにお腹に手を当てている
  • 軽く腰を叩いている
  • 機嫌が悪い
  • 顔色が悪い
  • 元気がない

    また、女性が生理の時には、以下の三つの気遣いをしましょう。

    1. 腹部に力が入るような重いものは、代わりに持ってあげる
    2. 女性が冷えないよう、エアコンの温度を高めに設定してあげる
    3. 車の運転は代わってあげるいかがでしたか?一言に生理痛といっても、症状の重さは人それぞれ。
      ですが、どんな症状の人でも、痛みはあります。ちょっとした気遣いが女性にとってはうれしいもの。男性の方は、ぜひ、女性の生理への気遣いができる方になってください。
      そして、女性の方は、生理痛がつらい時は、無理に我慢をせず、相手に相談してもよいでしょう。

      もし、同僚や上司が難色を示したときは、今回の記事を見せてあげてください!

      ナースが教える仕事術

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