“経済状況の良さの表れ”という考えからか、今や“女子の憧れの職業上位”とも言える、専業主婦。
でも専業主婦も楽じゃない! “家事”という、大変な仕事が休みなく追いかけてくるのですから、やっぱり夫の協力が必要。
では実際、専業主婦家庭の家事事情ってどうなんでしょう?
経済キャスターを務める筆者が、意識調査結果をもとに分析します。
■夫がしている家事、一位は?
株式会社アイ・ディ・アクセスによる『仕事と家庭に関する調査』によりますと、専業主婦の妻を持つ夫が担当している家事の一位は「ゴミ出し」で、全体では5割を超えるダントツの結果。
次ぐ二位が「子どもをお風呂に入れる」、三位が「風呂掃除」でした。
何となく想像のつく結果ではありますが、興味深いのはその内訳。
回答を夫と妻、別々に見てみると、「ゴミ出し」や「風呂掃除」など、多くの項目で夫側の回答数が上回っているのです。つまり……、
夫「俺って、けっこう嫁の手伝いをするいい夫」
妻「もっと手伝ってくれてもいいのに」
……という、捉え方のすれ違いが起きている可能性が高いということ。
■夫は、している“つもり”!?
この調査で妻の方が回答数が多かったのは、「子どもをお風呂に入れる」「子どもを送る」など、子どもに関する項目。
でもこれ、厳密には家事とは言えませんよね。
それに、お風呂に一緒に入るのも、幼稚園などに送っていくのも、自身が入浴したり出勤したりの“ついで”にできるもの。
“積極的な家事参加“とは、甘く見ても言い難いものがあります。
さらに注目すべきは、「とくに家事はしていない」という答え。
全体では二割以上に上るのですが、その内訳は夫側17%、妻側25%と、ここにも開きが。
「“家事に積極参加していない”という意識が希薄な夫」と、「“家事を手伝ってくれない”と不満を持っている妻」という、何とも皮肉な状況が見て取れます。
■家事参加は、夫婦円満への道
調査から見えた専業主婦家庭の現状。それは、夫の家事参加が妻の満足のいく内容ではない家庭が少なくないのでは、ということのよう。
夫が家事をしなくてもいい、と考える妻ももちろんいると思います。ですが、夫が家事を担うことのメリットは、実際の効率性以外の部分にあるのではないでしょうか。
それは、精神的な部分。「仕事忙しいのに、手伝ってくれる」 妻がそう思えれば、たとえほんの少しの家事でも、そのやり方が少々雑でも、感謝の気持ちの方が勝るもの。
「いつもありがとう」「今日のお風呂、いつもよりピカピカだね!」そんなふうに感謝を口に出せば、夫婦間のコミュニケーションも増えます。
以上、専業主婦家庭の家事事情についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
この調査は実際の夫婦双方が答える形式ではないため一概には言えませんが、夫側と妻側の意識には、やはり開きはあるようです。
現代では“憧れ”と言われる専業主婦ですが、本当は“働きたい”と考えている妻の割合は約7割と高いものでした。
日本経済においても、働き盛り世代の女性の進出は歓迎のはず。それでも、様々な事情で仕方なく専業主婦を選んだ、という人も多いことでしょう。そんな中では、ますます夫の家事参加という、精神的な支えがほしいものですよね。
家事にはゴールがありません。夫の協力をうまく得ながら、円満な家庭生活を目指してくださいね。