ひとくくりに運動といってもランニングのような軽い運動から、ウェイトトレーニングのような激しい運動などに分類されますが、運動の種類によって脳に与える影響がどれほど異なるのかを調査した研究が発表されました。
Physical exercise increases adult hippocampal neurogenesis in male rats provided it is aerobic and sustained – Nokia – 2016 – The Journal of Physiology – Wiley Online Library
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1113/JP271552/abstract
Which Type of Exercise Is Best for the Brain? – The New York Times
http://well.blogs.nytimes.com/2016/02/17/which-type-of-exercise-is-best-for-the-brain/
フィンランドのユヴァスキュラ大学は、「ランニング」「ウエイトトレーニング」「高強度インターバルトレーニング」という負荷が異なる3種類の運動が脳に及ぼす影響をラットを使って調査しました。
研究チームはオスの成体ラットを「ケージ内で自由に回し車を走れるグループ」「レジスタンストレーニング(ウェイトトレーニング)を行うグループ」「高強度インターバルトレーニングを行うグループ」に分類し、7週間にわたって運動を行わせました。その後ラットの海馬の脳組織を顕微鏡で確認したところ、行った運動によってニューロン新生の度合いが大きく異なったとのこと。
最も著しいニューロンの発達が見られたのは回し車で自由に運動を行ったグループで、海馬の組織内は新しいニューロンで満たされていました。次に高強度インターバルトレーニングのグループの海馬からは、新しいニューロンが基準よりも多く発見され、レジスタンストレーニングのグループの海馬の組織は、全く運動を行わなかったラットの脳と変わりない状態だったことが判明。
この結果から、研究者は「ランニングのような持続的な運動が脳を強くすることがわかりました。人間の脳の健康にも有益である可能性があります」と話しています。ウェイトトレーニングは筋肉の形成には効果的な運動ですが、健康のためにジムなどに行っている人は、運動メニューをトレーニングマシン中心からランニングマシン中心にすると、脳の健康も同時に育むことができる可能性があるというわけです。