おいしい食べ物を目に浮かべてみてください。
肉、魚、クリームやチーズ、バターなどの動物性脂肪や、植物性の油分でも、調理の段階で揚げたり、炒めたり、おいしさをアップさせるためには不可欠です。
イギリスのティータイムに必ずと言っていいほど出されるのが、焼き菓子のスコーンです。スコーンは小麦粉にバターと牛乳、溶き卵を入れ、ベーキングパウダーの効果でふっくらさくさくの食感に焼き上げられます。子どものこぶし大のビスケットのようなパンのようなお菓子です
これにクリームの女王と呼ばれるクローテッド・クリームをたっぷり載せ、イチゴジャムを添えて食べます。このクローテッド・クリームは乳脂肪分が60%以上もあり、
肥満を気にしている人にはちょっと心配ですが、ぱさっとしているスコーンをしっとりまとめ、クリーミーな味にしておいしさをアップさせます。
紅茶との相性と肥満の防止
クローテッド・クリームの名産地はイギリスの南部、デボンシャーです。
製造工場を訪れたとき、試食しながら「おいしいけど、肥満や健康面での心配はないでしょうか」と聞いたところ、「乳脂肪分が多いから絶品なのです。摂る量を加減することでおいしさを高め、一緒に紅茶をいただくことで脂肪分の取りすぎを防ぐのです」といった回答が。
スコーンは「ティーウィズミルク」という甘くないミルクティーと一緒に摂るのが通例です。このティーウィズミルクとスコーン、クローテッド・クリームを楽しむメニューを「クリームティー」と呼んでいます。
クローテッド・クリームの重く、濃い乳脂肪を、軽いミルクティーが、口内ですっきりと流し、さっぱり感を作っておいしく感じさせるのです。
脂肪を消化・吸収させにくくする
いくらおいしくても、量を加減しても、痩せ型志向の現代社会では、脂肪や油分の摂取には神経を使います。クリームティーのように紅茶は何らかの抑制効果があるのでしょうか。
「紅茶と暮らしの研究所」によると、紅茶の主成分である紅茶ポリフェノールは、 脂肪を消化・吸収させにくくする効果がある、と報告しています。
つまり、油分の多い中華料理、バターやチーズなどを多く使うフレンチ、イタリアン、焼き肉、ハンバーグ、唐揚げなど、誰もが好きな料理やスイーツなどを食べるときに紅茶を一緒に飲むと、紅茶ポリフェノールが、脂質の代謝過程を阻害して、脂肪の消化・吸収を抑える働きをするのです。
クローテッド・クリームの工場でもう一ついい話を聞きました。
「おいしいものは人を幸せにする。でも、食べ方を自制するのが人間です!」
おいしいクリームティーのレシピ
材料)1~2人分
紅茶・スリランカ ウバ 5g
熱湯( 95~98℃) 350cc
低温殺菌牛乳 100cc
クローテッド・クリーム 適量
イチゴジャム 適量
スコーン 2個
作り方)
1)ティーポットに茶葉を入れ、熱湯を注ぐ。
2)ティーカップにミルクを注ぎ、紅茶を注ぐ。
3)温めたスコーンにクリームとジャムを塗ってティーウィズミルクと一緒に食べる。
みなさんも本格的なクリームティーで英国風のアフタヌーンティーを楽しんでみませんか?