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つらい片頭痛、原因を知って正しい対処法を

急に激しい痛みに襲われることもあるという「片頭痛」。30代からの発症がピークともいわれるため注意が必要です。今回は、片頭痛の引き金となる要因を紹介します。

 

女性ホルモンの乱高下、ストレスなどが片頭痛の引き金に

 片頭痛は多くの場合、ストレスや肩こり、寝不足といった、体調を崩すような誘因がきっかけで発症することが分かっている。月経もその一つで、女性の片頭痛患者の約半数が、月経を誘因の一つに挙げる。「月経時や排卵日は女性ホルモンのエストロゲンの血中濃度が急減する。この落差が片頭痛発症の引き金になると考えられている」と話すのは富士通クリニックの五十嵐久佳医師。

 下記の図からも分かるように、女性の片頭痛患者539人を対象にした調査では、7割近くが「肩・首の凝り」から片頭痛が起こると回答。「精神的ストレス」や「月経」が引き金になると答えた人も半数近くにのぼる。

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 「月経前に、多くの人がむくみや妙に甘いものが食べたくなる、あくびが出るなどの症状を訴えるが、実は片頭痛の前ぶれ症状も同じ」(五十嵐医師)。これらの症状は、脳でホルモン分泌や自律神経をつかさどる視床下部が引き起こすと考えられている。「女性ホルモンの急低下以外に、何らかの原因で心身のバランスが崩れたりすることが片頭痛の引き金になりやすい」(五十嵐医師)。

 人込みや換気の悪い場所、強い光、音、においなどが引き金になる人も多いが、人によって違う。また、母親が片頭痛の場合、子に体質が受け継がれやすい。だが、「親もそうだったし、体質だから仕方ないと我慢したり、自己流で対処してしまうのが問題。打つ手はある」と、五十嵐医師。

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 「月経時に片頭痛を起こしやすい人は、エストロゲンがほぼ出なくなる閉経後は頭痛の頻度が減り、痛みも軽くなることが多い」と話すのは牧田産婦人科の牧田和也院長。「ただし、更年期の間はエストロゲンの値が不安定なため、頻度が増えることも」(牧田院長)。

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 一方、妊娠中はエストロゲンの分泌が高めで安定するため、片頭痛は起こりにくくなるが、出産後にホルモン分泌が元に戻ると再発し、育児ストレスや寝不足で妊娠前より起こりやすくなる人も。

 片頭痛の痛みのメカニズムはまだ解明されていないが、「ストレスなどにより頭の血管を取り巻く三叉神経が刺激され、痛み物質を放出し、それが血管を広げて炎症を起こし、頭痛を引き起こすといわれている」(五十嵐医師)。

 

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