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「愛されたい」より「嫌われたくない」…あなたの心をじわじわ壊すアプリたち

TwitterにFacebook、最近ではInstagramやSNOWにSnapChat…数多のSNSでつながるのはほとんど同じメンバーばかり、相互監視にイライラしながら結局は書き込むことをやめられない…誰かから愛される承認を得るより、誰かから嫌われる苦痛を避けることが第一優先になれば、ネットの海も突然息苦しくなるものです。


フォロワーが減って、不安になりませんか?

 かつてmixiで「そうしてあなたは去っていくのね」というアプリが大流行しました。マイミクからあなたを削除すると、誰が去っていったか教えてくれるツールです。むろん、私も愛用していました。
すでに去っていった友人を知ったところで何ができるわけでもなく、リストの名前を見ても寂寥感が残るだけ。それなのになぜ私たちは目を離せなかったのでしょうか。

 それは、多くの人から愛されていても、1人でも自分を愛してくれない人がいるだけで不安になってしまうからです。


「愛されたい」より「嫌われたくない」

 マイミクに限った話ではありません。人が何かを失うときに感じる苦痛は、何かを得たときに感じる喜びの2.5倍も強いマイナスの刺激だといいます。だから人は限られた人から好かれるより、誰からも嫌われない方を選びやすいのです。

 これは資産運用において株で損をしたくないあまり「何も買わない」ことを選んでしまう損失回避性としてよく知られています。

 もしあなたが生まれてこの方友達を失ってもそんなに傷ついたことがなく「また新しい友達を作ればいいや」と思えるなら損失回避性が働いていないことになりますから、優れたトレーダーになれるかもしれません(笑)。


嫌われるストレスは少しずつ溜まっていく

 さて、Twitterやinstagram、そしてブログは、嫌われることに敏感になりがちです。フォロワー数で一喜一憂させられるだけでなく、知らない人から直接リプライで殴られることもしばしば。

 私の場合は幸いにも外資系企業で詰められまくった鋼のメンタルを身に着けてしまい、かつ「○○読みました、面白かったです」と仰っていただけることで癒されております。

 いつも楽しく原稿を書いていますが、それでもある日「しんどいな」と感じている自分に気付きました。人とは違う意見だと分かりつつ、尖った内容の原稿を作ったときに「きちんと読んでもいない人から嫌なコメントをつけられるだろうな」と咄嗟に想像している自分に気付いたのです。

 おいおい、どこへ行ったの鋼のメンタル! 気にしていないはずのネガティブなコメントが、自分をむしばみ始めているなんて夢にも思っていませんでした。どうやら、嫌われることで受けるストレスは少しずつ蓄積されていくので自覚しづらく、ストレスに気づいたときにはかなり危険な状態なのかもしれません。


しんどい時はSNSを休憩しよう

 次の日、思い切って携帯からSNSのアプリをすべて消しました。どうせ日に10時間近くパソコンに触れているのだから、記事の告知はできます。完全なSNS断ちをしたらインターネット歴足掛け20年の私は禁断症状で死んでしまいますが、しばらくSNSは最低限でいいやと判断しました。

 SNSを休憩した日は、外の空気がとても新鮮に感じられました。ツイッターを見る代わりに部屋の電気が切れていることに気付いたり、溜まっていたおしゃれ着洗いができたり。視界がキレイになることで現実の良さをかみしめています。
 
 「どうせ何か言われる」「どうせ嫌われる」とあなたの心に暗雲が立ち込めたら、健全な承認欲求が傷つき始めているのかもしれません。健全な承認欲求を維持するには「ここで認められなくても生きていける」と他の世界へ顔を出すのが一番。ネットに疲れたらSNSを休憩して、現実へ目を向けるチャンスです。「人のリアクションを気にせず情報発信できるまで、アプリを消す」という休息を、あなたが取れますよう願っています。

☆次回は「あなただって狙われる。承認欲求を悪用した恋愛詐欺に気を付けて」で、私がもし悪意の塊だったらあなたをどうするか……闇の思考実験をします。

 

AM

 

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