多くの女性の悩みのひとつは「胸が小さい」コト。特に水着姿をさらすこの季節はなんとか大きく見せようと、秘密のパッドを入れたり無理やり谷間を作ったり、胸の大きい人からみたら涙ぐましいほどの努力を重ねているのです。
しかし、実はバストが大きい女性も、ちっぱいさんと同様、胸コンプレックスがあるのだとか。
そこで今回は、国内で初めて“胸のサイズから洋服を選ぶ”ことを可能にしたアパレルブランド『HEART CLOSET』の代表、黒澤美寿希さんにバストが大きい女性の意外な苦労をお聞きしました!
■1:階段が歩けない!?
バストサイズが悩みで服選びに困りつづけた経験をもつ黒澤さん。そのサイズはなんとH65だそう!
アンダーとバストトップの差が大きければ大きいほど、胸が大きいことになりますよね。その差はなんと、Gカップでは25cm、Hカップだと27.5cm、Iカップは30cmにも及びます!
そんな彼女が日ごろ苦労するのは階段なんだとか。
「胸の前から25cm離して腕を組んでみてください。足元が全然見えないじゃないですか?」と黒澤さん。確かにこれほどバストが突き出ていたら、つま先が見えませんよね! 筆者は妊娠中に足元が見えない経験をしたのでわかります。
「ヒールをはいて階段を下りるときは、いつも手すりをギュッと握ってそろ~りそろ~り歩くんです……」
地下鉄の駅の階段をヒールでガンガン走る!なんて、グラマーさんには夢のまた夢のようです。
■2:クーパー靭帯が切れる!?
「胸が大きいと、走るときに本当に痛いんですよ!」と辛そうな黒澤さん。
なんと、Gカップだと2つの乳房で3キロ近い重さだといいます。まるで新生児をいつも胸に抱えているような重み! 新生児を抱えたママが肩コリになったり腰痛になったりするのを聞いたことがありますよね? 胸が大きな人は肩や腰に負担がかかるのは自明の理です。
「しかも、あんまり胸が揺れるとクーパー靭帯が切れてしまうらしくて……。だから走るときはいつも胸を押さえているんです」
クーパー靭帯とは、バストを吊り上げているコラーゲン繊維の束。バストを覆っているコラーゲン繊維なのですが、切れると元に戻らず胸が垂れ下がってしまうのです。
しかもクーパー靭帯はとってもデリケート。強い運動やバストマッサージで切れたり伸びたりしちゃうんです。胸が大きくなくとも、私たち女性はクーパー靭帯を守らねば! 運動時のスポーツブラやデイリーのブラ着用はマストですよ!
■3:着られる洋服が超限定されている!
グラマー美人の黒澤さんの悩みは、洋服選びが大変なコト。
「Gカップ以上の人に合う既製品のお洋服って、あんまりないんです。Aラインワンピ、オールインワン、セットアップ、シャツ、ジャケット、全部胸のところがぱっつんぱっつん! 胸に合わせて大きいサイズを選ぶと、袖や裾が長すぎて不恰好に……。
特に辛いのは冠婚葬祭。人生で一番キチンとしなければいけない服装のときに、着られる洋服がないんです」
なるほど……。喪服やドレスのオーダーメイドはお高いですし、急に必要になることだってあります。これは深刻な問題ですね。
■4:キケンな目にも……!?
「すれ違いざまに、“でかっ!”とか、“巨乳”とか言われると本当に嫌な気持ちになります」
これはやすやすと想像できますよね! 最近でこそセクハラの概念が広がってきましたが、好奇の目で見られたり、心ない一言をなげかけられたり、そういう失礼なことをしてくる男性はまだまだいます。
「それよりも、知らない男性に、“お金あげるから触らせて”なんて言われたこともあります。本当に怖い思いをしたこともあるんですよ」
それって、立派な犯罪ですよね。そんな男性が女友達に絡んできたら、我々女性はすぐに警察に通報しましょう!
胸が大きいからといって、男性に口笛を吹かれたり、余計なコメントをされたり。多くのグラマーさんは、胸がコンプレックスになっちゃうのだとか。
■5:誰にも共感されない……!?
黒澤さんのお話で一番印象的だったのは、女性同士での対応に関するコメント。
「精神的に辛いのは、女友達にわかってもらえないこと。大きな胸の悩みを打ち明けても、“それって贅沢~”、“小さいよりいいじゃん!”、“悩みって言わないよ~”、と全く共感してくれないんです。
まるで私自身が友達から否定されたような、本当に悲しい気持ちになるんですよ」
実際に「脚が太い」「やせたい」「胸が小さい」ということは友達同士でよくする会話。それが、「胸が大きい」という悩みに対しては、女性であっても全くとりあってくれないそうなんです。
グラマーさんの思いがけない苦労話、いかがでしたか?
胸が大きな女性に苦労があるなんて想像したことがなかった方、安易に「巨乳」とか「爆乳」という言葉を使ったり、羨ましがったりするのはやめましょうね!