プレゼン、電話対応、面接。ここぞという場面でこそ、言葉を噛みやすいものです。一度噛んだあとに慌てて取り繕おうとして、さらに言葉に詰まってしまった経験のある方も多いのではないでしょうか
そこで今回は、「言葉を噛まない方法」についてヴォイストレーニングをおこなっているブレスヴォイストレーニング研究所のことばのトレーナー・Kutsuzawaさんから話をうかがいました。
もくじ
言葉を噛んでしまう原因って?
滑舌を改善するトレーニング方法
本番前のリラックス方法
話すときにはココに注意!
言葉を噛んでしまう原因って?
精神的プレッシャー
「上手に話さなきゃ」「噛んではいけない」といったプレッシャーを感じている、あるいは過度に緊張していると、自分を精神的に追い込んでしまい、舌がもつれやすくなります。
過去に声や話し方についてからかわれたり、怒られたりした経験のある人は、人前で話すことに対して特に苦手意識を抱いてることが多いようです。
舌根(ぜっこん)が固い
舌根とは、舌の付け根のこと。舌根の固さは発音に悪い影響を与えます。良い発音のためには、舌根を柔らかくすることが必要です。
顎がかたい
声を張ろうとすると、無意識のうちに顎に力の入っている=顎がかたい人が多いそうです。顎がかたいと発音に使う筋肉以外も力んでしまい、声帯から発する声の邪魔になります。
また、姿勢が悪かったり、口の開け方が悪いときも顎に力が入りやすいといわれています。
滑舌を改善するトレーニング方法
滑舌を改善するには、舌根や顎のトレーニングが必要不可欠。これらの箇所が衰えていると、綺麗な発音は手に入りません。
では、さっそくそのトレーニング方法をみていきましょう!
1:割り箸をくわえながら話をする(口の開きや舌の運動を鍛えるトレーニング)
割り箸を口にくわえます。この状態のまま日常会話をする、もしくはプレゼンのために用意した原稿を読みましょう。
割り箸をくわえる=口先の動きを封じることで、口の開きや舌の動きを意識し、鍛えられます。
2:顎を左右に動かしながら話す(顎を鍛えるトレーニング)
顎を左右にテンポよく動かしながら「あいうえお」から「わをん」までを発音しましょう。
3:椅子に座り、足を上げながら原稿を読む(腹筋を鍛えるトレーニング)
椅子に座り、膝を90度に曲げて、足を地面から浮かせます。その状態をキープしながら、話す内容をまとめた原稿などを読みあげます。プレゼンなら資料を、電話での対応ならマニュアル等を読みましょう。
これは、腹筋に力をいれながら言葉を話す練習です。喉を張らなくても良い発音となるため、余計な力が入らずに舌がもつれにくくなります。
本番前のリラックス方法
本番前は、どうしても緊張してしまうものです。そんな心理状態のままで本番の練習をすると、いざ本番で自分のつまりやすい箇所やもつれる箇所などを意識しすぎて過度な緊張につながってしまうことがあります。
本番前は自分をできるだけリラックスさせましょう。そこで、本番前にすぐできるリラックス方法を紹介します!
1:片方の鼻を塞いで深呼吸してリラックス!
右手で鼻の右側をおさえ、左の鼻だけでゆっくりと息を吸います。次に、左手で鼻の左側をおさえ、右の鼻だけでゆっくりと息を吐きます。1セット15回を目安に、自分の緊張度合いによって回数を調整してください。
2:ロングブレスでリラックス!
息を吸います。その際、口で吸っても鼻で吸っても構いません。
10秒かけて、息を少しずつ吐きます。息を吐くときは、温かい息を出すように意識しましょう。10秒たったら、肺に残った息を吐ききります。これを気分が落ち着くまで繰り返してください。
1:音の出る道筋を意識する
言葉が声帯から口蓋垂の裏を抜け、目や鼻の頭あたりから出されるイメージで発音しましょう。
イメージを掴めないという人は声を鼻にかけるように発音して、音を頭蓋骨で響かせる感覚を覚えてください。この感覚が身につけば、地声に近い声で発音したときでも、音をクリアに響かせられます。
2:母音を意識して、ゆっくり話す
早口で話すことは、周囲の人間にとって聞き取りづらいばかりか、あなたにとっても言葉を噛む原因となります。早口にならないための対策として、言葉の母音を響かせるように、下腹部に力を入れながら声を発することが効果的です。
例えば、「この場合の対策は」という言葉の母音は次の太字で表した音です。
「KO NO BA A I NO TA I SA KU HA」
この太字で表した音(母音)をしっかり発音するように意識すると、話のペースは自然とゆっくりになり、聞き取りやすい声となります。
3:口角を上げながら話す
口角を上げると上顎の位置が上がり、頭蓋骨のなかで音が響きます。言葉を明瞭に聞こえさせるためには、非常に効果的な方法です。
口角が上がっていると周囲の人々に良い印象を与えます。明瞭な発音になるばかりでなく、自信があるようにみせられるのでオススメです。
4:胸を張って話す
プレゼンの内容に自信がないと、原稿を読むためについ猫背やうつむきがちになりやすいものです。しかし、背が丸くなっていると息をしっかり吸えないうえに、声が伸びません。
胸を張れば、良く通る声を出せるばかりか、堂々として見えます。原稿をできるだけ見ないで話せるように、事前の準備はしっかりとおこないましょう。
今回お話を伺ったのはこちら!
医師や歌手、邦楽家らと協力し、日本人に合った声を研究しているブレスヴォイストレーニング研究所。そのメソッドを活かしたレッスンやトレーニングは、ヴォーカルや俳優、アナウンサー等声を使うプロたちはもちろん、人前で話す機会の多いビジネスマンまで、幅広い層に支持されている。